南米最南端の紅葉

バルデス半島を出発したバスは朝の7時過ぎにリオガジェゴスのターミナルへ到着した。
ここから南米最南端のウシュアイア行きのバスを探す。
すると出発は8時だと。
そっこーじゃねーか。
急いで購入。間に合ってよかった。
しかしチケットはカード払いだと700ペソ、現金だと600ペソだそうだ。結構差があるな…慌ててATMを探して金をおろす。
無事現金をゲットしてさっきのオフィス行ったら受付の人がいない。時間もないので別のオフィスで聞く。
するとここでは630ペソとのこと。
これは貧乏バックパッカーあるあるだがちょっとの値上がりでも払ったら負けた気になる笑
ということで交渉していたらさっきのオフィスの兄ちゃんが戻ってきてこっちのオフィスのおばちゃんとなんか喋っている。
「じゃあ600ペソで。」
…よくわからんがまけてくれたみたいだ。さんくす。
ということでチケットも買えたのですぐにバスに乗り込み出発。バスの待ち時間なしなんて新鮮ですね。
リオガジェゴスからウシュアイアのルートは国境がちょっとめんどくさいことになっている。
アルゼンチン→チリ、チリ→アルゼンチンとイミグレを超えないとなんですよね。
さらにマゼラン海峡もわたるのでフェリーにも乗り換える。
そしてチリ入国は荷物チェック厳しいので時間がかかる。
何かと面倒は多いがまあそうなっているのだから仕方がない。
バスはお昼頃にアルゼンチンを出国しチリへ入る。そこから少し走ってマゼラン海峡へバスごと乗り込む。
フェリーを待っている間にこれから南極に行くという日本人女性や探検サークルに所属しているという逞しい大学生とかとお喋りした。
他にもファンキーなおばあちゃんと写真を撮ったり3人兄弟のやんちゃ坊主とかと遊んだりした。
マゼラン海峡では運がいいとイルカとかも見れるそうだったけどこの日はいなかった。ペンギンぽいのがちょいといたかな?あとは鳥とか。
フェリーでは大学生といろいろ話をした。
彼はヒマラヤもベースキャンプまで登ったと話したくれた。流石探検サークルは違うなあ…
パタゴニアのパイネでキャンプをしたけど寒かったとか情報もゲット。
まあパイネはこれから行く予定だけどキャンプはしないだろうな。やってみたい気持ちはあるのだけど…とりあえず未定で。
話していたらフェリーは対岸に到着。
そこからバスに乗り込み次はチリ出国、再びアルゼンチンへ。
いやあメンドクサイ。なんかこのルートだけでもうまいことやればいいのにと思うけどそうはいかないのでしょうね。
バスは走り続け夜の9時くらいにやっとウシュアイアに到着。バスから見える街はオレンジ色の街灯がたくさん輝いていてノルウェーのトロムソを思い出した。地球の端っこってやつは似るのかもしれん。
しかし30時間くらいのバス移動で疲れた…
しかもリオガジェゴスでの乗り換えがうまくいくか心配だったために宿を取っていない。
同じバスだった日本人の人についていき泊まれないか聞いてみよう。
ということでとりあえず後ろからついていく。
宿に到着し部屋に空きがないか聞いてみたが個室しかないようだ…個室は高すぎるので無理。
ということでここでお別れをしていざ宿探し。
1軒目では断られ、2軒目でも断られたがこの宿のお姉さんが近くにある空いているホステルを教えてくれた。
少し歩いて到着し無事にチェックイン。なんとかなってよかった。
荷物を置いてちょっと買い出しに行って飯を食ったら移動の疲れもあってすぐに寝てしまった。
3月23日
なんとなくウシュアイアに来たもののここでやりたいことは特にない。
というか本当はペンギンツアーに申し込むつもりだった。
しかしバルデス半島でのツアーが高い割に大して動物見れなくてもうツアーはいいかなとなっていた。
ウシュアイアのペンギンツアーでは運が良ければキングペンギンを見れるようだけど可能性は低そうだしなあ…
個人的にペンギンの中ではキングペンギンが一番好きだ。正確に言うとキングペンギンの雛が好き。でかいたわしみたいでとてもかわいい。

(参考画像 https://sumally.com/p/1055802)
しかしここのツアーは2000ペソ(15000円くらい)を超えてくる。聞いた話だと2500ペソとか…いや貧乏バックパッカーには無理でしょう。
ウシュアイアからだと自然豊かなフエゴ国立公園なんかも見てみたかったけど行くまでのバスやら入場料やらが高い。
アルゼンチンは物価が高いしそのなかでも特にパタゴニアは色々高い…
実際にパタゴニア地方を観光している人は年配の方が多い。
この辺は余裕のある人たちが訪れる土地なのだろうな…
自分はなんとなく最南端に来れればいいや、って感じだったのでここへ来れただけで満足ですよ。
そんなにやることもないし3泊くらいで移動するかと思い、次の町へのバスチケットを買いに行く。
すると明後日はバスがなく次の出発は明日か3日後だそうだ。
流石に明日出るのはちょっと…しかも朝の5時とかだし。
ちょっと長く滞在しちゃうけどまあいいかと26日のバスを購入。チケットも買えたので街をブラブラとする。
せっかく最南端に来たのだからと「世界の果て博物館」へ。
ウシュアイアにいた少数民族や動物たちの剥製なんかがあった。
入館料1000円近くするわりに建物は小さく展示もそんななかったけど笑
ここには世界最南端の博物館スタンプがあったのでパスポートに押してきた。いい記念ですね。
この博物館は二つに分かれているようでもう一つの方も覗く。
こっちはもっと近代のウシュアイアについての展示かな。
博物館を後にして街をブラブラとする。
海沿いには鳥がたくさんいた。
その後スーパーへ買い出しへ。
ひき肉が安かったのでハンバーグを作ることに。
一緒に旅をしている友人が料理上手なのでお任せ。ついでにワインも飲む。
この時はアジア系の団体さんが30~40人くらい来ていてキッチンは激混みだった。
なんか本格的に料理してた。おいしそうでした。
酒飲みながらまったりしていたら同室の韓国人青年2人組がペンギンツアーから帰ってきた。
彼らに写真を見せてもらったりいろんな話をしたり。
旅先で会う韓国人はフレンドリーだなあと思う。
彼らはすでにチェックアウトしていたのでここでお別れ。
金を使わずにウシュアイアでなんかできることないかな、と調べてみる。
すると近くで登山ができるようだ。山頂では氷河も見れるよう。
明日はこいつでも登りにいくかね。
3月24日
この宿は朝食付きなのでパンとコーヒーを頂く。
ご飯を食べていたら日本人女性に話しかけられた。
彼女はトレッキング好きで転職の間の休みを利用してパタゴニアを巡る予定らしい。
今日登山に行く予定だと話したら自分も行ってみたいとのことで一緒に行くことにした。
10時過ぎくらいを出発のめどにして昨日作りすぎたハンバーグでお昼用のハンバーガーをつくる。
準備も出来たところでいざ出発。
とはいうものの道は大して調べていない。maps.me(オフラインで使用できる地図アプリ)頼り。
スマホを見ながらどんどん歩いていく。
街から離れ山へ向かっていく。
森の中を歩く。癒されるね。
キノコがいっぱい。キノコ嫌い。
なんか整備されているトレッキングコースみたいなのを見つけたのでそっちへ行ってみる。
30分くらい歩いてGPSで現在地を見てみると思っているのと全然違う方向へ進んでいた…
はい。
迷った。
うーんやばいな。まあとりあえず大通りに出ればいいや、って感じでGPSを頼りに進む。
紅葉が綺麗だなあ。
途中の道には謎の家(?)があった。
迷いまくったがなんとか大通りに出ることに成功。スマホなかったら遭難してたね。
そこから山頂を目指して歩く。
またこいつ発見!
中継地点の休憩場所みたいなところにやっと到着。トイレを借りてお昼を食べる。ハンバーガーうまし。
ここからはかなりハードな道だった。
後ろに海を眺めながらひたすらに歩く。
2時間ほど登り続けただろうか、休み休み歩いてやっと山頂に到着!
しかし雪が少しあるだけで下から見えた氷河が全く見えない…
どうやらここから少し登ったところにあるようだ。
せっかくだし上まで行きたいなと思ったのでもう少し頑張ることにした。
ここからは道もない感じで水が流れ落ちる砂利の坂を這い上がるように登っていく。
写真を撮っている余裕はなかった…
両手を使いながら急勾配を登りなんとか氷河へ到着!
水が溶けだしていたのですくって飲む。なんてうまさだ。
景色を満喫したところで下る。登りも大変だったが下りもきつかった…
急勾配だから滑りそうになるのを注意して降りていく。
しかし本当に紅葉が綺麗に染まっているな。
紅葉って日本特有というかあんなに綺麗に染まるのは日本くらいなのかな、と思っていたから南米の最南端でこんな景色が見れるとはと感動しました。
「紅葉つったら日本っしょ」なんてイキっていたけどパタゴニアにも綺麗な紅葉はあるのですね。
景色は綺麗だったがこの帰り道もとにかく長く大変だった…
足の疲れもやばくて街までの道のりが果てしなく感じた。往復20㎞以上は歩いただろう。迷ったのが痛かったな。まあ無事に帰ってこれたから良かった。
帰りはスーパーで食材を購入する。レジがくそ混んでて疲れた足にはツラかった…
知り合った方が調味料をたくさん持っていたので今日は肉じゃがを作ることに。やはり出汁は神。
完成した肉じゃがはうますぎた。やはり日本食最強ですね。三人で喋りながらビールとワインもすすむ。疲れた体にうまい食事は大事だ。
満足したところで就寝。明日はゆっくりしよう。
3月25日
フリーの朝飯を頂いてからまったり過ごす。昨日の疲れもとれないしな。
昼過ぎくらいまでゴロゴロしてから少し街を歩く。
この日が一番天気が良かった。
彼らはとても独特な文化を持っていたがなかなか悲しい民族でもある。気になる人はググってください。
この辺も参考になるかも
フラフラと写真を撮ったりお土産屋を覗いたりしていたが昨日の疲れからか体調がよろしくないので宿に戻ることにした。
すると帰り道でウシュアイア行きのバスで出会ったこれから南極に行くという女性とばったりあった。
彼女は道端で折り紙を折っていた。稼ごうってわけでもなくただの暇つぶしらしい笑
軽く雑談をしていたら水筒をくれた。これからトレッキングする予定なのでこれはありがたい。大事に使わせてもらいます。
宿に戻ってゆっくり休む。明日は朝から移動だし早めに寝ましょうかね。
ということでウシュアイアへ行った話でした。
町並みはヨーロッパのようで治安もよく良いところでした。
ただ貧乏人には物価が高い…
お金持ちになったらまたゆっくり訪れて贅沢したい場所のひとつです。
2021年8月9日 tomoyoshi fukatsu