ヒマラヤ登山記 後編

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Day8 2020年1月3日
Lobuche ロブチェ(4960m)
↓ 4km
Gorak Shep ゴーラクシェープ(5165m)
↓ 3km
Everest Base Camp ベースキャンプ7(5364m)
↓ 3km
Gorak Shep ゴーラクシェープ(5165m)
いよいよ今日はトレッキングの目的地であるベースキャンプを目指して歩く日だ。
昨日の夜に体調が悪くなったM氏だが一晩寝たらとりあえずは動けるようになったみたい。よかったよかった。
おそらく軽めの高山病だったのかもしれない。
登山経験も大してないのにいきなりこんなところに連れ回しているからな…あと少し頑張ってくれ。
ロブチェを出発してまずは最後の拠点となるゴーラクシェープを目指す。
道のりとしては4kmくらい。
今までずっと天気がよかったがこの日は曇っていた。寒い…
標高も5000mを超えてきたのですぐに息がきれる…
荷物を持ってくれるアイテがいてくれてよかった。
というか彼は着替えも手袋も持っていないけど寒くないのだろうか…
寒さに震えながらなんとかゴーラクシェープへ到着した。
宿で軽く昼食を食べたらすぐにベースキャンプへ向けて出発だ。
しかしこの日は本当に寒かった…
曇るどころか雪もちらついてきた。
氷の塊。
しかし目的地はもう少しだ。最後の力を振り絞って登り続ける…
そしてついに…
ベースキャンプへ到着した!
標高は5364m、気温は-25℃くらいだろうか。くそ寒かった。
しかし達成感は素晴らしかった。みんなで記念撮影をする。
アイテお前なんで素手で平気なんだ…笑
達成感に浸りたかったが疲れと寒さで正直それどころではなかった。
ここまで1週間くらいかけて登ってきたのに15分くらい写真撮ったらすぐに帰りました笑
まあ天気も悪かったし…
遂に目的達成ということでゴーラクシェープまで戻る。
帰りにM氏が写真を撮ってくれたけど死にかけている笑 このときパチもんのノースフェイスのファスナーが壊れて前が閉まらなかったんで…
無事宿に戻ってきて温かい飲み物をいただきながらまったり過ごす。
しかしよく頑張った…特にここまで一緒に登ってきてくれたM氏よ本当にありがとう。
とはいえ実はまだ登山は終わらない。
ゴーラクシェープから行けるポイントしてカラパタールというところがあり、そこからは間近にエベレストが望めるらしいのだ。
ここが自分のもうひとつの目的地だ。
出発は明日の朝。M氏は体調のこともあるので宿で待っているとのこと。
最後にもうひと踏ん張り頑張ろう。
Day9 2020年1月4日
Gorak Shep ゴーラクシェープ(5165m)
↓ 2km
Kala Patthar カラパタール(5648m)
↓ 2km
Gorak Shep ゴ-ラクシェープ(5165m)
↓ 11km
Pheriche ペリチェ(4266m)
早起きしてカラパタールを目指す。本当に最後の頑張りだ…
M氏もわざわざ起きてくれて見送ってくれた。行ってきます。
アイテが案内してくれるのが本当に心強い。彼は英語もわからないのでそんなに話はできないが一緒に歩いてくれる人がいるというのは本当にありがたいことだ。
昨日は天気が少々荒れていたがこの日は快晴だった。やはり晴れ男は違うな(自称)。
白く色づいた雪景色の中を歩いていく。
今まで以上に白銀世界なこともあって青空とのコントラストが美しい。
とはいえとにかく歩くのが大変だった。
距離としては2kmほどだが標高は500m近く登らなくてはいけないので息がきれるきれる。
数歩歩いたら深呼吸というようなゆっくりなペースで登っていく…
快晴で景色が綺麗だったのでまだ頑張れたがやはりこの高さまで来ると大変だ…
頑張って歩き続けるとゴールが見えてきた。
そしてついに目的のカラパタールへ…!
標高は5648m。今までのベスト記録は南米のレインボーマウンテン(5200mくらい)だったので大幅な更新だ。この先の人生で更新することはおそらく無いだろう。
ここでの景色は本当に絶景だった…正面にエベレストを臨む。
自分はいわゆる「絶景」というのが好きだけどそれは行けば誰でも見れるから、というのもある。
もちろん気候やシーズンというのはあるけど、自分が頑張りさえすれば頑張った先に美しい景色が広がっているからそのために頑張る甲斐があるなあと思えるのですね。
アイテと記念撮影。やつはここでも素手。つわもの。
満足はしたがとにかく疲れた…記念撮影もそそくさと済ませ下り始める。
帰りも絶景だ…足取りの重くなる自分とは対象的にアイテはどんどん先へ行ってしまう笑
名前を刻む。
みんなやっていた。
そして昼ごろに宿へ戻ってきた。お昼がてら小休止。
この宿には映画「神々の山嶺」のキャストも来たっぽい。
少し休憩をしたらまたもと来た道を戻る。今日は歩けるところまで歩こう。
ということでなんやかんやとゴーラクシェープから11kmほど歩いたところで日もくれてきたので泊まることに。
今日はペリチェというところで一泊。
他に客もいなかったが宿のご家族がお話をしてくれたりした。
子供が生まれたばかりみたいで赤ちゃんがかわいかったな。
やっぱり下りは上りよりかはだいぶ楽な気がした。
とはいえ大変だったけど。雪が積もったせいで靴がびしょびしょ。
ストーブで乾かしてもらいながら夕食をとりまったりと過ごしてから就寝。
目的のカラパタールへ行けたので大満足の1日でした。
Day10 2020年1月5日
Pheriche(4266m)
↓ 19km
Namche Bazar(3440m)
今日も早起きしてひたすらに下る日だ。
ひたすらに19kmほどあるいてナムチェバザールを目指す。
早朝は天気もよく景色も相変わらず美しい。
途中でヤクやシェルパとすれ違いながら下山していく。しかしシェルパの人はこんな荷物背負って登ってくるからまじすごい…
途中まで天気も良かったのだがどんどん雲行きが怪しくなってきた。
そしてついに雪が降ってきた。
積もってくる始末…登山靴ではなくオーストラリアでドライバー時代に使っていた安全靴なんぞを履いているものだから濡れるわ滑るわでけっこう大変だった。
雪の中まるまる犬がかわいい。
行きでもよったタンボチェでお昼ごはんを食べて小休止したら出発。今日は歩く距離も長いのでそんなに休んでいる暇もない。
積もっていて大変。
雪景色の中を歩き続け遂にナムチェバザールまで帰ってきた!
ここまでくればほとんど帰ってきたようなものだ…本当に疲れたが無事にここまでこれてよかった。
そしてここでアイテとはお別れとなる。
ずっと我々の荷物を持っていてくれて本当にありがとう…君がいなかったらベースキャンプやカラパタールまで行くのも無理だっただろう…
感謝を告げてお別れ。
ここには旅の道中ちょくちょく一緒だった韓国人2人組も泊まっていたので一緒に乾杯をする。
エベレストビールとヤクのステーキ。頑張った自分へのご褒美だ。
彼らとお喋りしていたら夜も更けてきたので就寝。
そろそろトレッキング旅もおわりが近いな…
Day11 2020年1月6日
Namche Bazar(3440m)
↓ 18km
Lukla(2780m)
エベレストトレッキングも終盤になってきた。
今日はナムチェバザールから一気に空港のあるルクラまで向かう。
お世話になった宿とオーナーにお別れ。
距離は18km。アイテがいないから荷物を自分で持たなければならない。重い…
とはいえ標高も下がってきたので呼吸はだいぶ楽になった。天気もいいし一気に行ってしまおう。
川が綺麗だ。
シェルパかっこいい。
ご飯を食べて…
辺りが薄暗くなってきた頃にルクラへ到着した!
やっと帰ってこれた…長い戦いだったぜ。
昨日の2人組と宿を合わせておいたので本日も一緒に酒を飲む。
こちらはロキシーというネパールの焼酎みたいなやつ。染みる。
ハンバーガーもうまい。
彼らは俺のことを韓国の俳優リュ・スンボムに似ているとずっと言っていた笑
当時のスクショ。
韓国の酒文化のこととかもいろいろ話してくれて面白かったです。
そんなこんなで本日も楽しく過ごせた。彼らとこのトレッキングの日程が合っててよかったな。これも旅の醍醐味ですね。
ちなみにM氏は歯の調子が悪いらしく最後の方はずっと辛そうだった。
というかこのあとカトマンズで手術していた…
彼はなにかと運のない男なのだ…
一緒にここまでやってこれてよかったです。明日はカトマンズでゆっくりしましょう。
Day12 07/01/2020
Lukla(2780m)
↓
Kathmandu(1355m)
遂に最終日。
飛行機に乗ってカトマンズへ帰る日がやってきた。
一応チケットとしては7時発くらいなので暖房もない空港へ朝早く向かったが…
また5時間くらい待たされた…
めちゃめちゃ寒かったしこの時間が一番つらかったかもしれない…
小さいな空港なので探検できるわけでもないし暖房がないのがとにかくツラかった。
しかしまあ無事カトマンズには帰ってこれた。
本当によかった。
これにて12日間のエベレストトレッキング完結!
疲れたー
ちなみにこの間1回もシャワー浴びていません。基本エベレストトレッキング中はシャワーなんぞ浴びれない。今までの最長記録を大幅に更新してしまったな。
カトマンズでは久々のシャワーを浴びれてめちゃめちゃさっぱりした。
贅沢に日本食も食った。
韓国人の友人たちと飲みに行ったら地元民と相席になって一緒に飲んだ。
M氏は手術していた。
不安も多かったエベレストトレッキングだったけど本当に多くの思い出と絶景を楽しめたとても有意義な旅になった。
一緒に行ってくれたM氏や荷物を持ってくれたアイテ、宿のみんなや道中で出会った旅人には感謝の気持ちでいっぱいだ。
このあとM氏とはネパール、インドを周遊したのでその話もいずれ書けたらなあと思います。
2021年11月3日 tomoyoshi fukatsu