白い砂漠と宇宙人
2016年12月19日 アメリカ・エルパソより
ラスベガスから長距離バスに乗って深夜に到着したエルパソ。
バスが10時間くらい遅れたせいで昨日は夕飯も食えず睡眠時間も削られたがまあいいだろう。
寝たのが遅かった割にこの日は早起きだった。多分腹が減りすぎて気持ち悪かったせいだ。
少し歩くとマックがあるみたいなので空腹を満たすために出発。
マックは朝の7時前だというのに激混みだった。この時間はここくらいしか店空いてないのかも。
どこで食ってもソーセージエッグマックマフィンは同じ味がして安心しますなあ。
メキシコとの国境に近い街なので周りではスペイン語が飛び交っていた。メキシコ人たちはコーヒーおかわりしまくりでなんか微笑ましかったです。
満たされたところで宿へ帰って今日のルートを調べる。
今日からレンタカー借りるというのに道わからんしな。下調べしないと。
といっても「maps me」というオフラインで使える神アプリがあるので地図ダウンロードするだけですけど。スマホさえあればカーナビ必要ないなんて便利な時代になったものだ。
宿をチェックアウトしていざレンタカー会社へ。
アムトラックというアメリカでは有名な電車の駅前に営業所があるっぽいので向かってみる。
しかし見つからない。
ははあこれは駅の中にあるパターンですね。と中に入ってみても見つからない。てか広いわりにはに寂れてんな。
チケット売り場のおばちゃんに尋ねる。
「そこの角曲がったところにあるよ」
えー全然人の気配を感じないのだけど…
角を曲がったところに現れたのは一台の電話と「Hertz」の看板。
そういうパターンですか…
対面でも英語の会話に自信がないというのに電話はハードル高いですぜ。
まーとりあえずかけてみて予約していたことと氏名を伝える。
めっちゃ早口でなんか言ってきたけどよくわからん。
ピックアップって聞こえた気がしたのでここで待ってればいいのか聞いてみたところそんな感じらしい。
オーケーオーケーとか言って電話を切る。全然オーケーじゃない。
10分待つ。まだ来ない。
20分待つ。まだ来ない。
30分待つ。まだ来ない。
流石に遅くない?と思ったので再度電話する。そしたら「もう5分くらいで着くよ!」とのこと。やっと安心。
5分後くらいに小太りのおっちゃんが現れる。よかった。
どうやら営業所的なのはここから車で15分ほどの離れたところにあるらしい。車で連れてってくれるようだ。
このおっちゃんはいい人オーラ出まくってて英語も聞き取りやすかったので色々質問できた。
どうやらエルパソに住んでる人の60%くらいはメキシコ人らしい。朝のマックもだけど街中歩いていてもスペイン語っぽいのよく聞いたしな。
でもおっちゃんはスペイン語あんま得意じゃないので肩身が狭い時もあるとか。
エルパソと反対側のシウダーフアレスというメキシコの街は世界トップクラスで治安の悪い地域だという情報を得ていたので本当にヤバいのか聞いてみたらこっち側に住んでる地元民もあんま行かないって言ってた。家族がいる人くらいだって。
アメリカメキシコ間の国境問題の例に漏れずドラッグがすごいんだと。
ロスのことも聞いてみたらやっぱりダウンタウンの辺りはドラッグが盛んだと言っていた。ロス歩いてたら注射器落ちてたしな。
でもエルパソは国境に近いけどアメリカ国内でもかなり治安のいい所だそう。昨日の夜バスターミナルから宿まで歩いたけど確かにそんな治安悪い感じはなかったな。
南米も行ったことあるみたいでこれから行くなら気をつけな、と心配してくれた。もちろん気を付けます。今からすでに南米怖い。
マチュピチュは素敵な場所だとおススメもされました。もちろん行きますよ。多分ね。
そんなこんなで初の海外レンタカーで借り方もよくわかんなかったけどおっちゃんが親切だったから手間取りながらも落ち着いて契約できました。ありがたいことです。さあ運転だ。
当然ながら左ハンドル。なんか勝手が違うから怖いぞよ。
バックするとき右から振り返るのがなんか気持ち悪い。
とりあえずウインカーを出そうとする。
するとワイパーが動く。
ライトを点けようとする。
後ろのワイパーが動く。
…なるほど全部逆なのか。まあ慣れるだろこんなもんは。
旅道具のガムテープでスマホを貼り付けいざ出発。こんな使い方する予定はなかったけど。
大通りに出るまでは右側通行に慣れてないわ信号多いわでちょっと大変だったけど一回でかい道に出てしまえばあとは快適の極み。
地平線まで広がる荒野と遠くにそびえる山々。
ラルクの「Drivers high」のPVのようだ。崖から落っこちないようにしないと。崖なんてないけど。
運転してるから写真はないけどいかにもなアメリカの道、って感じで感動しました。国際免許取っといてよかった。
まあぶっちゃけ一時間も走れば飽きましたけどね。高速走ってるみたいで眠くなる。
途中でガソリンを入れる。セルフだったんだけどなんか使い方わからんくて給油中のおっちゃんに助けてもらった。
やっぱりガソリンは日本より全然安い。1ガロン2ドルとか。1ガロンは3.8リットルくらいらしいのでリッター50円くらい?計算あってるかこれ?(2016年時点)
2時間ほどでホワイトサンズに到着。憧れの白砂漠がすぐそこに…!
まずはビジターセンターで情報収集。一般の観光客は18時までしかいれないみたいですが申請すればキャンプも出来るっぽいですね。
そして運が良ければトカゲやら蛇にも会えるぽい。蛇会いたいな。
入口から10分ほど車を走らせ到着。こいつがホワイトサンズだ!
本当に白い砂漠。正体は石膏の結晶のようですが。
なんか雪景色のようにも見えるけど違う。不思議な感じ。別の惑星のようだ。
こんなところでキャンプでもして星空でも眺めたいものですな。
恒例の落書きタイム。
着いたのが15時頃だったので夕暮れまでふらふらとしていた。全然飽きなかったな。
日が傾くにつれ影が濃くなり砂の模様が一層くっきりと浮かび上がる。
そんな変化を眺めながら静かに夕日を眺めるのは贅沢な時間でした。
綺麗な景色に出会うと俺はこんなとこで何やってんのかな、と思ったりしてしまうのと同時に自分の目でこの景色を見ているということに感動したりもしてなんか複雑な気持ちになります。
いろいろと物思いに耽ってしまうよ。まあ旅に出てよかったとは思う。
アメリカのスケールでかい大自然巡りは始まったばかりだしこれからも楽しみ。
日が沈むまで満喫した後はまた3時間程車を走らせ宇宙人で有名なロズウェルへ向かう。
20時ごろに到着しスーパーでサラダとサンドイッチを購入。田舎だからか店の人の態度と笑顔が素敵。
もう夜なのに「Have a wonderful day!」とか言ってくれる。なんかありがてえな。
そのまま駐車場で飯食ってまったり。
今日は車中泊して明日はいよいよ宇宙人!
12月20日
余りの寒さに深夜に目を覚ます。
寝袋あるし余裕だろとか思ってたらくそ寒かった。昼間はすげー暑かったのに。
この辺は寒暖差激しいぽいですね。あんな寒いと思わなかった。
服を着込んでもっかい寝る。まあ何とかなった。
目的のUFO博物館は9時開館なので8時半くらいに到着。
朝早いにもかかわらず結構ひとがいてビビった。UFO大人気だな。
開館と同時に入ったけどホントに混んでた。入館料払うのに並んだくらいだし。
正直もっと寂れたB級スポットだと思ってました。失礼な奴だ。
中には当時の新聞記事のコピーやら
資料やら
模型やらがあってもう言葉にできないほど幸せでした。
少年時代を特命リサーチ200Xやらぬ~べ~やらに囲まれて育った僕のような人間にはたまらない施設です。
特にこいつら。やばい。ニヤニヤが止まらない。
しかもこの奥にあるUFO煙吐くしこいつらピコピコ喋るからね。最高だよね。たぶんこんな盛り上がってんの俺だけだけど。
あとは最近はめっきり聞かなくなったミステリーサークルの写真とか。
UFO早見表もあったよ。これで予習しておけばいざ遭遇しても安心だね。
あとは上映されていたビデオを30分ほど観て博物館を後にする。内容はUFOを見たという人のインタビューとか。2時間くらい上映するみたいだったので全部観たかったけど時間がなかった。レンタカー返さなきゃだし。
しかしUFOの本場ロズウェルを訪れる日が来るとは…人生はわからんものだ。なぜこんなにテンション上がってるのか自分でもわからん。
無事観光も終え4時間半ほど車を走らせエルパソへ戻る。
二日で700㎞ちょい走ったけどあんま疲れなかった。やっぱ道路広いからかな。
レンタカーを返して長距離バスのターミナルへ。
前回バスが遅れまくって痛い目を見たグレイハウンドだけどそう何回もトラブルは起きんだろ、とまた利用することにしてたんですが…
こいつが間違いだった。結局このバスも再び9時間くらい足止めをくらってストレスがひどかったです。
もう二度とグレイハウンドには乗りたくない。
ということで人生初の海外でのレンタカー体験記でした。
ロズウェル行くの決めたのがこの3日前くらいだったけど本当に行ってよかった。
やはり宇宙人はロマン。日本の怪しいスポットも巡りてえなあ。
2021年4月25日 tomoyoshi fukatsu