闘牛は残酷か

2017年6月22日 スペイン・セビーリャより

昨日の夜にポルトガルのリスボンを出発したバスは深夜にスペインのセビーリャへ到着。ウトウトしていると「着いたよ!」とたたき起こされる。

時計を見ると朝の三時。予定では六時に到着のはずなんだけど…

スマホで場所をチェックしてみると確かに到着している。ポルトガルとは時差があるから午前四時か。早すぎんでしょ。

辺りは真っ暗なのでバスターミナルで休んでいようかと思ったら閉まっている…

なんでしょうがなく予約していた宿へ向かった。

事情を話しなかで休ませてもらおうと思ったら…

「チェックイン時間まではどこも使わせてはいけないんだ。荷物は預かることはできるけど」

まじか。困ったな。

荷物置き場に座らせてっていってもダメっぽいし、近くに24時間営業のカフェとかない?とか聞いてもないっていうしマジ困った。受付がめっちゃ狭いので中では休ませることができないようだ。

とりあえずでかいバックパックを預かってもらいWiFiのパスだけ聞いて外に出る。

そして宿の前の道路に座り込んで情報収集。

セビーリャからロンダというところへ行く予定だったのでバスの時間を調べたら始発は6時半くらいらしい。

明日行く予定だったけど今行ってしまうか。

ということで路上でちょっとダラダラ。

するとおそらく同じバスだった韓国人の親子がやってきた。

路上で座っている自分を見てすべてを察したようで彼女らも困っていた。

一応スタッフに聞いてみたがやはりダメな様でどっかのカフェが開くまで彼女たちも路上で座り込むことにしたようだ。先進国って融通聞かないところもあるからツラいですね。

彼女たちに別れを告げ自分は再びバスターミナルへ向かう。

チケットオフィスが開いてなかったので車掌さんから直接チケットを買い無事乗車。

3時間弱バスに揺られロンダに到着した。

ロンダは白い壁に茶色い屋根の並ぶ美しい街だった。

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小さくて日帰りで歩くのにちょうどいい感じ。

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適当に教会なんかを眺めながらブラブラと歩く。

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オレンジの木ってなんか好き。

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町は丘にあるので町の端っこへ行くと自然が見渡せる。

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ロンダに来たのは橋を観るためだ。ファンタジーの世界に出てくるような馬鹿でかい橋がある。

ということで街歩きのあとはそちらへ向かう。

全体像を見渡すためにアップダウンの激しいぼこぼこの道を歩いていく。

自然が綺麗だ。

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そして展望スポットへ到着!

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切り立った崖の間に作られた巨大な橋。

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うーーむ美しいですなあ。

滝もあった。

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そのまま橋へ近づいていく。

橋の下は小さな用水路?のようになっていた。

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反対側から。

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今度は急な道を登って行って橋の上へ。

登りきると街の中心へでた。

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お土産屋さん。

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上からの眺めも素晴らしいなあ。高所恐怖症の人はしたを覗けないだろうが笑

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謎の日本人。

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スペインのこの辺りの地方は闘牛が盛んだ。闘牛場もある。

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街並みに統一感があっていいね。

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ロンダの街歩きにも満足したのでバスターミナルへ戻りセビーリャへ。

午後三時くらいに宿に着いたので軽く飯を食ってから夜まで仮眠をとる。昨日バス移動で大して寝れてないからな…

そして夜に復活。

セビーリャは闘牛発祥の土地でもある。

スペインに来たのなら闘牛は見ておきたい。そう思ってポルトガルにいるときに調べていたらなんとちょうど今日開催しているらしいのだ。

一週間に一回とかの開催なのでこれは運がいい、チケットも10ユーロくらいでそんなに高くないしとポルトガルですでにチケットは予約しておいたのだ。

チケットは印刷必須とのことなので宿のスタッフに頼み印刷完了。

カメラを持って街へ繰り出す。

闘牛が始まるのは午後9時からのでそれまで少し街を歩く。

しかし日が長いなあ。8時過ぎでこの明るさ。

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川遊びをする子供たち。

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そしていざ闘牛場へ。夕日を受けていい感じだ。

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中に入ると人がまばらに座っていた。思ったよりも空いててよかった。

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競技場をならすスタッフたち。

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冊子ももらえて闘牛士の情報なんかが載ってました。

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時間が近づくにつれ徐々に客席が埋まっていく。自分のところは安い席だったのでずっとガラガラだったけど。

そして開演時間。オーケストラの音楽が響き渡る。

よく見ると客席の上の方で音楽隊が生演奏していた。

闘牛士たちが次々と入場してきて会場全員が立ち上がり祈りを捧げる。

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そして牛が入場。

突進してくる牛を

よける

よける

よける

途中にはハプニングも。命がけだ。

自分は闘牛というものは牛をよけるだけの競技だと思っていた。

しかし実際は牛を毎回殺すのですね。

まずは防具をつけた馬に乗った人が槍を使い闘牛の背中を刺し弱らせる。

その後二本の短剣を持った人が計三人、合計六本牛に刺す。

息を荒げ背中から血を流す牛。

弱ってきたところで剣を持った主役が登場。

赤い布を使い牛をよけながらさらに疲れさせ首に短剣を刺す。

ついにしゃがみ込む牛。最後は脳天に短剣を突き刺しとどめを刺す。

息絶えた牛はロープで馬に引きずられ退場。一見雑な扱われ方だが引きずる行為は牛への敬意を示しているらしい。

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うーーーむしかし思った以上に残酷だった。動物愛護団体が騒ぐのもわかる気がする。バルセロナではもう闘牛は禁止されているらしい。

これを見ていい感情を抱く人は少ないと思うがスペインでは文化として大事にされているものだしなんでもかんでも禁止すればいいとも思いませんがね。

闘牛で殺された牛は食用として利用されているそうだしただ単に食料として育てられ殺される牛よりは名誉ある死が与えられている、なんて考え方もあるみたいです。

この日は6頭の牛が闘ったそうだが自分は途中で見るのが辛くなったので出てきてしまいました。

夜景を眺めながら宿へ戻る。

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宿で夕飯を作っていると台湾人の女性がいた。

彼女は翻訳系の仕事をしているとのことで英語はもちろん台湾語に中国語、フランス語と日本語を少しに今はスペイン語を勉強中だとか。とんでもねーな。

一緒に夕飯を食いながらいろいろと話をした。

彼女にロンダを勧めたところ明日行ってみることにしたそうだ。自分が勧めた場所に人が行ってくれると嬉しいですな。

闘牛のことも話したが彼女も牛が殺されるということを知らなかったようだ。

みんな知っているものなのですかね?自分はヒラヒラとよけるイメージしかなかったからなかなか衝撃でしたが。

またひとつ勉強になった。いろんな国のいろんな文化を知ることは大事だと思う。

受け入れる、受け入れないと知ってる、知らないはまた別問題ですからね。

色々と考えるきっかけになるいい経験でした。

2021年2月28日 tomoyoshi fukatsu

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